Art Book 『ARK JOURNAL VOLUME XI SPRING/SUMMER 2024 』
Art Book 『ARK JOURNAL VOLUME XI SPRING/SUMMER 2024 』
スカンジナビア発、年二回刊行のインテリア雑誌『 ARK JOURNAL』の第11号。世界中の美しい住居とそこに住む人々の物語は、空間がただ美しい家具やアートを置くこと以上に哲学やパーソナリティの表現であることがわかる。2019年にデンマークの有名インテリア雑誌のエディター、スタイリストを長年勤めるメッテ・バーフォード(Mette Barfod)が創刊した本誌は「私たちの周りの空間、そこに置くオブジェクト、そのオブジェクトの作り手」をテーマにしている。建築、デザイン、アートの相互作用にスカンジナビアの価値観や美学を通してフォーカスする。本号は、3種類の表紙でお届けする。
本号は、歴史がいかに芸術、デザイン、建築への理解を形作るかを考え、時代とともに進化する解釈の流動性、そして文脈の重要性を称える。
建築家は、伝統と革新の相互作用をどのように調整しているのか。歴史的な先例を踏まえながら未来をどのように考えているのか、アダプティブリユース(適応型再利用)が古い建造物にどのように新たな命を吹き込んでいるのか、建築的介入がどのように敷地の文化遺産を尊重しているのかについて探る。
メキシコシティとシンシナティにある、二つの象徴的なミッドセンチュリーモダンの邸宅を特集。これらの住宅は変容を遂げながらもそれぞれの豊かな歴史と意義に深い敬意を払っている。アメリカ人建築家、レイ・カッペ(Ray Kappe)の南カリフォルニア式の建築言語が、ベルリンの現代の家に変換される。また、バルト海の島にある邸宅は、未開の自然を体験するために建てられた。
ヨハネスブルグを拠点に活動する建築家、キュレーター、スマヤ・ヴァリー(Sumayya Vally)は、若き世代を象徴する声である。インタビューでは、いかにアイデンティティ、帰属感、文化のハイブリディティが従来の規範外の建築を形成するかを強調する。また、エリエル・サーリネン(Eliel Saarinen)とロハ・サーリネン(Loja Saarinen)のフィンランド初期の邸宅であるフヴィトラスクを訪れる。そこでは、創造性とコミュニティが根本的に絡み合っている。
「Case Studies」では、インテリアスタイリストのパーニル・ヴェスト(Pernille Vest)が、貴重な貴族の木から作られ、時間と熟練した手によって作られた家具を芸術品として探求し、 「Basel」では、ギャラリー「von Bartha」のフォン・バルタ家の2代にわたるギャラリストが、アートとともに生き、働く方法を教えてくれる。
「Design Metaphors」では、イタリア人建築家、インダストリアルデザイナー、エットーレ・ソットサス(Ettore Sottsas)の写真を通じて建築の起源を探求する。また、編集者のダン・ゴー(Dung Ngo)は、「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」で開催されたラテンアメリカのデザイン史に関する展覧会の企画を担当した、キュレーター、アナ・エレナ・マレット(Dung Ngo)と対談し、工芸と産業がハイブリッドなアイデンティティを形作った地域のデザイン史について語る。
最後に、「ポートフォリオ」では、建築、デザイン、芸術におけるユートピアの新しい考え方が、ラテンアメリカの現代性をどのように形成したかを探る。
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